ワインドアップとは?ノーワインドアップ・セットポジション・クイックモーションとの違いを解説
ワインドアップとはピッチャーの投球モーションのことです。一般的にワインドアップは腕を頭の上に振りかぶりながら投げるフォームでバッターに威圧感を与えられます。他にも投球モーションにはセットポジションやクリックモーションなどがあり、特徴や使用する場面が異なります。
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公式ライター Activel_director
ワインドアップとは?
ワインドアップは投球モーションがかっこいいことから人気のピッチングフォームですが、メリットとデメリットがあります。投球モーションは自分の投球スタイルに合ったものを選ぶ必要があるため、ワインドアップの特徴を理解することが大切です。
ワインドアップの意味
・腕を振りかぶる一連の動作
・足を巻き上げる動作
腕を振りかぶる動作はワインドアップの代名詞とも言える動作です。一方、足を巻き上げる動作とは軸足の後ろから踏み込み足を巻き上げるように動かすことを指します。
ワインドアップは腕だけでなく足の動き方も関係しています。野球中継ではワインドアップの解説されないため、意味を知っておくだけで野球の見方が変わることでしょう。
ワインドアップポジション
【ワインドアップボジション】
・軸足は投球板に触れる
・逆足は投球板の上または後方につく
ワインドアップポジションでは軸足が投球板に触れることが重要です。踏み込み足は軸足と並行または、軸足の後方につきます。
ワインドアップで投球する場合はルールで定められたワインドアップポジションを取らなければ、投球することができません。
ワインドアップモーション
ワインドアップモーション【投手編】
【ワインドアップモーション】
①両脇を締め、大きく振りかぶる
②足を上げ、軸足に体重を乗せる
③体重移動と体の回転でボールに力を伝える
④ボールのリリース時は指先で回転をかける
⑤リリース後は前足に体重を乗せる
ワインドアップモーションでは腕を振りかぶるため、体重移動が難しいです。安定した投球は投げるまでの動きをスムーズに行うことが重要です。
ワインドアップのメリット・デメリット
【メリット】
・球威が上がる
・威圧感が増す
【デメリット】
・体がぶれてしまう
・球種がバレやすい
ワインドアップは体の反動が大きいため、ボールに強い力を伝えられます。振りかぶる動作は体を大きく見せ、バッターに威圧感を与えます。
デメリットは動作が大きいため体のバランスが取りづらいです。ワインドアップはフォームを固定しないと球種がバレてしまいます。
ワインドアップとノーワインドアップの違い
ワインドアップとノーワインドアップは投球モーションに大きな変化はないのですが、ワインドアップとは異なる特徴があります。ノーワインドアップはワインドアップと比較をすることでメリット、デメリットが理解できるでしょう。
ノーワインドアップのポジション
【ノーワインドアップポジション】
・軸足は投球板に触れる
・逆足は投球板の上または後方につく
ノーワインドアップポジションでは軸足を投球板に触れる必要があります。踏み込み足は軸足と並行または、軸足よりも後方につくことが可能です。ノーワインドアップポジションで気をつけるポイントはワインドアップポジションと同じです。
ノーワインドアップのモーション
ノーワインドアップ投法
【ノーワインドアップモーション】
①両腕は胸のあたりに置く
②足を上げ、軸足に体重を乗せる
③体重移動と体の回転でボールに力を伝える
④ボールのリリース時は指先で回転をかける
⑤リリース後は前足に体重を乗せる
一連の投球動作は腕の動き方以外、ワインドアップモーションと同じです。ノーワインドアップは腕を大きく振りかぶらないため、体重移動が簡単です。
ノーワインドアップのメリット・デメリット
【メリット】
・フォームが固定しやすい
・体がぶれにくい
【デメリット】
・威圧感がない
・球威が落ちる
ノーワインドアップは投球動作がコンパクトなため、コントロールが安定します。デメリットは体を大きく使えないため、ボールの勢いや威圧感が欠けます。
ノーワインドアップは体重移動がうまくできない人や制球力に自信がない人におすすめの投球モーションでしょう。
ワインドアップと比較
腕の動き | 投球板の踏み方 | ピッチングスタイル | |
---|---|---|---|
ワインドアップ | 振りかぶる | 同じ | 本格派 |
ノーワインドアップ | 振りかぶらない | 同じ | 技巧派 |
ワインドアップはボールに力を伝えやすいため、速球中心の投球スタイルの人におすすめです。ノーワインドアップは体がぶれずに投球ができるため、コントロールを重視する人におすすめです。投球フォームは1度決めたものに満足するのではなく、体の成長に合わせて改良しましょう。
ワインドアップとセットポジション
プロ野球界ではワインドアップで投げる選手とセットポジションで投げる投手の割合が変わってきました。ピッチングフォームは時代によって人気が変わります。
野球中継ではピッチャーフォームについて詳しく解説しませんが、投手の投げ方に注目してみるのも新たな楽しみ方の1つです。
ワインドアップのプレートの踏み方
【ポイント】
・胸またはお腹をキャッチャーに向けて立つ
・軸足はプレートに接触させる
・踏み込む足のつく場所は自由
ワインドアップでは踏み込む方の足を自由につけるのが特徴です。踏み込み足は軸足と並行または後方につくことが可能です。体の向きはキャッチャーに対して正面から向かい合うように立ちましょう。ワインドアップはプレートに軸足が触れていないと投球ができません。
セットポジションのプレートの踏み方
【ポイント】
・グローブ側の腕をキャッチャーに向けて立つ
・軸足はプレートに接触させる
・踏み込む足はプレートの前につく
セットポジションでは踏み込み足のつき方が制限されます。踏み込み足はプレートよりもホームベース寄りにつく必要があります。体の向きはキャッチャーに対して半身で立ちましょう。セットポジションでは正しくプレートを踏まないとボークになります。
ワインドアップとセットポジションはどっちが主流?
【理由】
・投球フォームが安定する
・制球力が安定する
・いつでもクイックモーションができる
セットポジションからの投球はシンプルな動作のため、フォームが安定しボールをコントロールしやすい利点があります。また、投球動作を早くするクイックモーションはランナーがいない場面でも有効なため、常にセットポジションで投げていればいつでも可能です。
ワインドアップの代表選手
ワインドアップはバッターに威圧感を与えることができるため、球速が遅い選手に有効なピッチングフォームと言えるでしょう。
和田 毅(ソフトバンク)
通算成績(2019時点) | |
---|---|
登板数 | 254試合 |
勝利数 | 130勝 |
勝率 | .650 |
防御率 | 3.13 |
ワインドアップは体の反動が大きいため、制球力に苦しむ投球モーションです。しかし、和田投手は速球を軸に投球する選手ではないため、ボールが乱れません。
岸 孝之(楽天)
通算成績(2019年時点) | |
---|---|
登板数 | 290試合 |
勝利数 | 125勝 |
勝率 | .598 |
防御率 | 3.02 |
岸投手の投球モーションはシンプルなワインドアップで体に力を込めずに投球します。シンプルな投球モーションは長いイニングを投げる先発投手にとって重要です。
セットポジションの代表選手
セットポジションは盗塁を阻止したり、バッターのタイミングをずらす効果のあるクイックモーションが使えます。常にセットポジションで投球している選手はランナーがいなくても自由自在にクイックモーションで投げることが可能です。
千賀 滉大(ソフトバンク)
通算成績(2019年時点) | |
---|---|
登板数 | 171試合 |
勝利数 | 55勝 |
勝率 | .655 |
防御率 | 2.78 |
千賀投手はプロ入り後、中継ぎ投手として活躍し2016年シーズンから先発として登板しました。先発では4年連続で二桁勝利を記録しています。千賀投手は球速が速いため、コントロールがしやすいセットポジションで投球をしています。
藤川 球児(阪神)
通算成績(2019年時点) | |
---|---|
登板数 | 766試合 |
セーブ数 | 241S |
ホールド | 162H |
防御率 | 2.02 |
藤川投手は750試合を超える登板数でありながら防御率が2点台前半と圧倒的な成績です。藤川投手の特徴は怪我をせず毎年安定した成績を残すことです。セットポジションでの投球は動きがコンパクトなため、怪我の防止や体力の消耗を防ぐ効果があると言えます。
減少傾向にあるワインドアップ
元々ワインドアップで投げていた選手もピッチングフォームを改良し、セットポジションに変わった選手もいます。
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