身体への負担の大きいサッカーで足首をテーピングすることは、怪我の予防や迅速な競技復帰につながります。運動強度や運動時間、痛みにあった方法でテーピングを巻くことで、足首の不安定感や精神的な不安を軽減し、怪我のリスクを減らすことができます。
サッカーをするときの足首のテーピング
サッカーはボディコンタクトが多く、素早い切り返し動作など身体への負担が多いスポーツです。気をつけていても、相手との接触や体重の掛け方次第で簡単に怪我をしてしまうことがあります。
中でも多い怪我は、足首の捻挫です。サッカーでの怪我は避けられないことが多いですが、テーピングを巻くことによって怪我のリスクを減らすことができます。
足首の捻挫に対するテーピングの効果とは?
足首へのテーピングの目的は大きく分けて、怪我の予防としてのテーピングと、怪我後のテーピングのふたつに分けられます。捻挫は癖になりやすいので、捻挫しないようにすること、一度捻挫をしてしまっても再発しないように注意が必要です。自分のコンディションをきちんと把握し正しくテーピングを活用していくことが大切です。
怪我の前の予防としてのテーピング
テーピングを巻くことは怪我の予防につながります。特に運動中は、日常生活の何十倍もの負荷がかかると言われています。そのため、足首に不安定感があるときや、練習や試合が続き疲労が溜まっているときなどに怪我が起きやすいです。テーピングを巻くことで足首を安定させ、足首だけでなく他の部位への怪我の予防にもつながります。
怪我をした後のテーピング
怪我をしたあとのテーピングは、
迅速な競技復帰につながります。一度捻挫をしてしまうと靭帯の強度が落ちてしまうことに加え、精神的な不安感が残ってしまうため、怪我をしないように足をかばうことで、他の部位の怪我につながりやすくなります。
怪我後の丁寧なリハビリが重要ですが、テーピングを巻くことで安心感と安定感が得られ、再発のリスクを抑えつつ早い段階での競技復帰することができます。
足首へのテーピングのやり方
足首の捻挫は、内側に捻ることによって外側を痛めてしまう内反捻挫が多くなっています。正しい巻き方でテーピングをすることで予防と早期の競技復帰につなげていくことができます。自分の好みや運動強度に合わせて必要なテーピングを覚えることが重要です。
テーピングの巻き方
テーピング手順 |
ポイント |
アンダーラップ |
隙間のできないように巻く |
アンカー |
脚の形に合わせて若干下から上へ巻く |
スターアップ |
くるぶしを目安にして、小指側から強く引っ張り上げる |
ホースシュー |
踵の部分が若干高くなるように巻く |
フィギュアエイト |
小指から強く引っ張りあげる |
ヒールロック |
足首に対して45度で巻き始める |
アンカー |
隙間を埋めるようにする |
スターアップ、ホースシュー、フィギュアエイトは運動強度に応じて本数を2~3本の間で調節します。シワと隙間のないように巻くことで運動中のテーピングの緩みを軽減することができます。
キネシオテープを利用した巻き方
キネシオテープを利用した足首のテーピング【フィギュアエイト】
捻挫に対するキネシオテープを利用した巻き方では、フィギュアエイトがよいでしょう。
外くるぶしを起点にして親指側を通って足の裏にいき、小指から上がって足首を一周し外くるぶしで終わります。ホワイトテープを利用した巻き方と比べると固定強度は落ちますが、固定しつつも可動域が広く普段のパフォーマンスに近い動きが可能になります。くるぶしを基準に外と内の高さを揃えることが大切です。
キネシオテープの四隅を丸く切り落とすことで、剥がれにくくすることができます。
テーピングを巻く時に注意すべきこと
テーピングを効果的に巻くためには、ただ巻くだけではなく下準備が必要です。テーピングは、怪我の予防や早期の競技復帰にとても有効ですが、間違った知識や使い方はさらなる怪我や怪我の悪化につながってしまうこともあります。きちんと下準備をして、正しい知識のもと活用していきましょう。
下準備
テーピングを巻く前の下準備として、除毛が必要です。必須ではありませんが、除毛することで固定力があがり、運動中のテーピングのズレや緩みを抑えることができ、剥がす時の痛さも軽減されます。足を置くクッションなども用意できると、テーピングが巻きやすくなります。
足首の固定強度
テーピングによる足首の固定強度は、
運動強度や運動時間によって使い分けましょう。テーピングは地肌に巻くので、汗の影響を受けやすいです。
さらに、切り返し動作が多く、靴との摩擦によりテーピングが緩んでしまうこともあります。しかし、強く巻きすぎても足首が圧迫されてしまうため巻きながら調節していくことが大切です。特に、アキレス腱周りを強く巻きすぎてしまうと、足首が痛いと感じることもあるので注意が必要です。
バンテージを用いたテーピングのやり方
バンテージとは、布でできた
伸縮性のある固定具です。記事の序盤で紹介したテーピングで使用したテープは基本的に使い捨てなのに対し、バンテージは繰り返し使うことができます。肌に貼り付けるものではないので、肌が弱く、テープだとすぐにかぶれてしまう方などにおすすめです。
ホワイトテープやキネシオテープを使用するときと同様、ポイントを押さえることで効果的なテーピングを巻くことができます。
バンテージのメリットデメリット
バンテージは繰り返し使うことができるので、捻挫がクセになってしまっている人をはじめ、何度も使うことが予想される人にとっては、テープよりも
コストを抑えることができます。
一方で、固定力は強いものの生地が厚くかさばるので、慣れるまで運動中の違和感が大きいです。また、使用ごとに洗うなど衛生面でも注意をしないと、ムレやにおいの原因となってしまいます。
バンテージの使用方法
バンテージを利用したテーピングは、基本的にキネシオテープを利用した巻き方と同じフィギュアエイトがおすすめです。外くるぶしを起点に親指側を通って足の裏にいき、小指から上がって足首を一周させます。八の字になるように巻ければ、起点と終点にとくに決まりはないので、余った部分は邪魔にならないよう必要に応じて足に巻いておきましょう。小指側から持ってくるときには強く引っ張り上げることで固定力がアップします。
・足首を90度にキープ
・アキレス腱を圧迫しすぎない
・くるぶしを基準に内外の高さを揃える
おすすめのテーピング紹介
テーピングテープにはさまざまな種類があり、固定力や肌触り、色のバリエーションに至るまで、
テープによって少しずつ違いがあります。状況に応じたテープを使用することで、テーピングを巻いていることによるストレスを少なくし、安全にプレーすることができます。
まずは自分の好みを知り、どんなときに使用するのかという具体的な使用場面を考え、自分にあったテープを選びましょう。
キネシオロジーテープ
ウェーブ塗工が施されているので、固定力をキープしつつも通気性が良く、ムレにくくかぶれにくいです。さらに、伸縮性が高いため、関節などに貼っても突っ張らずスムーズに動かすことができます。肌の弱い人をはじめ、怪我をしてからしばらく経つけど念のためテーピングを巻いておきたい方、運動強度が低いとき、運動時間が短いときなどにおすすめです。
伸縮固定テープ
固定力が高いので、運動強度が高く運動時間が長いときなどにおすすめです。水や汗に強く、濡れてもすぐに乾く素材を採用しているため、テープを貼ったままシャワーや軽い入浴することも可能です。さらに、ムレやかぶれに強い接着剤を利用しているので、肌の弱い人も利用することができます。
Towatech KINESYS
色のバリエーションが多いのが特徴です。そのときの気分や練習着、ユニフォームに合わせて好きな色が選べ、おしゃれにテーピングを巻くことができます。毎回テーピングを巻いていてマンネリ化してきた方、気分を変えたい方におすすめです。気分が上がることで、練習や試合にモチベーション高く臨むことができます。固定力が強いので、強度の高いスポーツ場面に特化していると言えますが、肌の弱い方は注意が必要です。
足首へのテーピングまとめ
ボディコンタクトが多く身体への負担が大きいサッカーでは、テーピングを巻くことで
怪我の予防や、早期の競技復帰をすることができます。怪我や疲労による不安定感や精神的な不安感を取り除き、負担を減らすことができるからです。
テーピングが痛いと感じたときはすぐに外し、痛みが収まらない場合は無理せず医療機関を受診しましょう。知識を正しく利用して、楽しく安全にサッカーに取り組んでみてください。