サッカーのVARとは?ビデオアシスタントレフィリーで判定はどう変わるか?
サッカーのVARとは、ビデオを使って審判が肉眼では確認しにくい判定をサポートするシステムのことでビデオアシスタントレフェリー制度ともいいます。VARを導入することで判定がどのように行われ、どのように判定が変わるのか解説します。
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公式ライター Activel_director
サッカーのVARとは?
サッカーのVARとは、主審がピッチ上で起きた主審の判断が難しい判定を映像を用いて確認するためのシステムのことです。VARはワールドカップでは、2018年ロシアワールドカップから採用され2022年のワールドカップでも利用されているビデオ判定となります。
VARの略 =ビデオ アシスタント レフェリー
VARの略は、Video Assistant Refereeの略称で、試合を決定づけるプレーが行われたときに、主審がビデオ判定を用いてレフェリーの判断をサポートするシステムです。
VARの意味
VAR判定はすべての事象に介入するわけではなく、VARの役割はフィールドの審判員のサポートです。VARは最良の判定を見つけようとするものではなく、はっきりとした明白な間違いをなくすためのシステムです。
試合中は、明らかな間違いがない限りはVAR判定は行われません。
サッカーでVARを導入した理由
映像の精度向上とともに、あいまいにしてきた誤審が散見されるようになり、ファンの批判の声に応じる形でVARの導入に至りました。
実際のところ、古くからのサッカーファンや関係者はVARの導入には反対派が多いです。
VARのルール
また、主審が重大な判定ミスを行なった、あるいは見逃してしまったと判断した時にVAR判定を自己申告できます。
VARの方法
また、主審が重大な判定ミスを行なった、あるいは見逃してしまった場合はリプレーオペレーターにビデオ判定を求めることができます。
リプレーオペレーターがビデオ判定の必要性を認めた場合に主審が当該シーンをピッチ外にあるモニターで確認し、最終的な判定を下します。
VARの原則
誰が見ても明らかで、疑う余地のない誤審を避けるため、そして、審判が見えない位置で起きた暴力的行為といった深刻な事象を確認するためのもので、すべての微妙な判定に答えを出すためのものではありません。
より多くの誤審を防ぐためにVARを用いると、試合の中断や遅延につながってしまいます。
VARが介入するケースとしないケース
VARが介入するときの基準はこちらです。
・得点に関すること
・ペナルティキックであるか、そうではないか
・レッドカードに相当する行為かどうか
(2度目の警告を含めたイエローカード相当の行為は対象外)
・間違った選手に対しての退場処分、警告処分であったかどうか
VARが介入しないのは、得点に直結しないペナルティーエリア外で警告、退場に該当しないケースです。
VARの審判のジェスチャー
オンフィールドレビューと呼ばれるビデオ確認が必要な時は手で四角を作るTVシグナルのポーズをします。
ビデオを確認したあとは再び四角を作ってから、判定を下します。
ちなみに選手がオンフィールドレビューを要求して四角を作るポーズと2回以上で警告対象となるので注意が必要です。
サッカーのVAR判定
VARは万能ではないので、最後は主審の主観的な判断が加わることを理解する必要がありますし、その判断を尊重する必要があります。
メリット
また、VARによってリプレイで時間をかけてジャッジしている間に細かい解説を入れるとルールが周知されるので、サッカーを良く知るきっかけになります。
ビデオで細かく見られていることを選手が意識すると、主審が見えないところで悪質なファウルが無くなり怪我の防止につながることもメリットです。
デメリット
VARを行うことで、選手、サポーターが微妙な判定にストレスを増大させることもあるのがVARのデメリットです。
サッカーには、細かく見れば見るほどどっちにもとれる判定があり、どちら側の視点で見るか、競技規則を把握しているかによって判定への印象はまったく異なります。VARの判定に時間がかかることもデメリットです。
誤審を語ることの面白さがなくなってしまうのはデメリットです。
VAR導入リーグ
ヨーロッパの主要リーグではVARが基本的に導入され、アジアでは中東やJリーグで導入されています。
JリーグのVAR導入
VARが介入するかどうかの基準もまだ定まっておらず、試行錯誤の状態が続いています。JリーグのVARはyoutubeで試合後に開設動画を流して判定の裏側も公開して詳しく説明しています。
JリーグのVARの例
【Jリーグジャッジリプレイ番外編】ルヴァンカップ決勝VAR大特集(後編)
3人がモニターをチェックしており、主審に無線を使って助言を行いますが、最終的にはオンフィールドレビューで主審が判断をすることになります。
オンフィールドレビューの結果、意図的に決定的機会を阻止したとして川崎フロンターレの選手にレッドカードが提示されました。
プレミアリーグのVAR
しかし、オフサイドに関してはミリ単位に拡大して精密にVARで判定するのがプレミアリーグの特徴です。ディフェンスラインの背後を狙うタイプのフォワードは、プレミアリーグでは何度もゴールを取り消されています。
ワールドカップのVAR
ただし、審判の人員が多いので10人中8人が異議を唱える場合にVARが介入するやり方が採用されていて、多国籍審判員による判定のブレを人数でカバーしています。
2018年ロシアワールドカップで初めてVARが導入されましたが、過去最多のPK回数となり、大会中に判定基準を変更させる混乱も生じました。
アジア杯のVAR
VARが介入するかどうかの基準もあいまいで、恣意的に判定を下しているのでは?という疑念がさらに大きくなる傾向がアジアにはあります。VARが導入されても審判買収のリスクはなくなりません。
サッカーのVARの問題点
審判の誤審問題が起こるたびにVARを導入すべきとの声が上がりますが、VARが導入されても誤審は減らすことはできますが、納得のいかない判定は増える可能性もあります。
サッカーの判定は、もともとあいまいなものが多く、主審が主観で判定せざるを得ないものが多いので、細かくビデオで見ると納得のいかない人が逆に増えて不満が増幅するリスクがあります。
正解がある判定
正解のある判定はVARの効果を発揮しやすいといえます。
ただし、オフサイドは、オフサイドポジションの選手がボールに関与したかどうかの部分は審判の主観的な判断が伴いますので、VARでも絶対に正しい判定にはならないです。
正解がない判定
世界的な流れとして正解のない判定では、混乱が大きくなることから明らかにおかしい判定以外はVARは介入しない傾向となっています。
正しいジャッジなど存在しない
VARに過剰な期待をすると、かえって不満が大きくなるので、審判やリーグはこれまで以上にVAR判定に対しての説明を丁寧にして、ファンとのコミュニケーションを取らなければ、判定の理由が分からないファンが混乱を大きくしてしまうリスクがあります。
VARを導入しても納得のいかない判定はどちらを応援しているかによって生じてしまいますが、サッカーのルールを周知して、より多くの人がサッカーを面白く見ることができるようになってほしいです。
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