卓球のカットマンとは?メリット・デメリットと具体的なやり方を解説
卓球のカットマンとは、カット打法を駆使する守備型のプレースタイルです。卓球のカットマンのメリットは、粘り強くプレーできることです。デメリットは、覚える技術がドライブマンよりも多く、練習量を増やさなければなりません。カットの打ち方や、カットの練習方法について詳しく解説していきます。
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公式ライター Activel_director
卓球のカットマンとは?
バックスピンをかけて返球するカットを駆使し、主に中・後陣でボールを返球していく戦型になります。基本的には守備的なプレーが多いですが、チャンスがあれば一気に攻撃に転じます。
現代卓球でカットマンは、攻撃型の選手と比較して人口が少なく、卓球の数ある戦型の中でも希少なプレースタイルです。
カットマンの特徴
また、攻撃型の選手とは全く異なったプレースタイルなので、カットマンに慣れていない選手には非常に勝ちやすいという特徴もあります。
カットマンに向いている人
また、カットマンは覚える技術や動きがドライブマンと比較して多いので、コツコツ努力できる人でなければ結果が出ません。カットマンに入門するのであれば、人の2倍や3倍練習する覚悟を持つことが大切になります。
日本や世界で活躍するカットマン
所属 | JOCエリートアカデミー |
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生年月日 | 2005年8月3日 |
戦型 | カット主戦型(フォア裏・バック粒高) |
2019年に開催された世界ジュニア卓球選手権では、中学生ながら女子シングルスにおいて準優勝という結果を残しました。プレーの特徴は、とにかく粘り強くミスの少ないカットです。どれだけ強打されても平然とカットする姿は、とても中学生カットマンとは思えません。
カットマンの強さとは?
カットマンは粘り強くボールを返球することで、対戦相手にプレッシャーを与えてミスを誘うことが可能です。対戦相手が下回転打ちを苦手としている選手であれば、カットが強打される心配も少ないので、カットマンはより粘ってプレーすることができます。
粘って相手にプレッシャーを与える
攻撃型の選手はカットマンとの試合でラリーが続くほど、あせりが出て凡ミスが多くなります。カットマンはボールを拾い続けることによって、相手選手に精神的なダメージを与えることが可能です。
下回転打ちが苦手な選手に強い
下回転打ちが苦手な選手は、強烈な下回転のかかったカットに対して安定したドライブを打つことができません。カットマンに対して安定したドライブを打つことができなければ、カットマンのミス待ちで粘るしか選択肢がなくなってしまいます。
特に卓球を始めたばかりの選手は、強烈な下回転がかかったカットを打ち返すことは難しく、中学生の地区大会レベルであればカットマンの存在は脅威となります。
カットマンの難しさとは?
初心者からカットマンを目指す場合には、一般的なドライブマンと比較して難しい戦型だということを理解したうえで、練習に取り組んでいきましょう。
他の戦型に比べて練習量が必要
カットマン特有の覚えるべき技術は3つあります。
・カット
・ナックルカット
・カーブロング
これら3つの守備的な技術を身につけながら、ドライブマンと同じようにドライブやスマッシュといった攻撃的な技術も習得する必要があります。
カットマンが他の戦型とダブルスを組むのは難しい
・カットマン×カットマン
・カットマン×ドライブマン
・カットマン×前陣速攻型
・カットマン×前陣異質型(粒高などの守備型)
カットマン同士でペアを組む場合には、プレー領域(中・後陣)が同じでシングルス同様のポジションでプレーできます。
しかしカットマン以外の戦型は、できる限り前陣でプレーして相手に時間を与えないことが重要です。そのためカットマンと他の戦型の選手がペアを組む時は、お互いのポジショニングの取り方が難しくなります。
カットマンと他の戦型がダブルスを組む場合には、カットマンも前・中陣での攻撃を多めにして、卓球台と距離をとり過ぎずにプレーすることを意識しましょう。
もしくは、カットマンとダブルスを組む選手が、少し卓球台と距離をとって相手の強打を返せるように準備することが大切です。
2種類のカット打法とカーブロング
2種類のカット打法とカーブロングについて、それぞれの特徴を紹介していきます。
通常のカットとは
カットマンという戦型では、一番基本になる打法です。
相手を惑わすナックルカット
相手にバレないナックルカットのやり方、教えますby庄司有貴 【卓球】
通常のカットとナックルカットで回転の変化をつけることが、カットマンの大きな得点源となります。
カットマンにとって重要な武器「カーブロング」
・カーブロングドライブ。試合で効果バツグン! by 塩野真人【卓球】動画でレッスン – シェークハンズ
カーブロングはカットと軌道が大きく異なるので、タイミングを外して対戦相手のミスショットを誘うことができます。カットが難しい浅めのドライブに対しても、安定してボールを拾うために有効な技術になります。
カットマンになるためのカットの基本的な打ち方を学ぼう
正しい打ち方を把握することで、上達のスピードを早めることができます。
基本的なカットの打ち方
【卓球】フォアカット・バックカットの基本打法!《解説》
カットの打ち方は、相手が打ってきた前進回転のボールに対してラケットを上から下に振り下ろすようにスイングし、下回転を加えてボールの勢いを殺しながら前方に飛ばします。
ラケットを構える位置は、自分の肩か肩を超えるくらいの高さまでラケットを振り上げるようにしましょう。
①飛んでくるボールに合わせてポジションを移動
②スタンスは肩幅程度広げ、重心を落として打球の準備をする
③ラケットを肩よりも高い位置まで上げ、ラケットヘッドを立てる
④ラケットを上から振り下ろすように打球して下回転(バックスピン)をかける
ナックルカットの打ち方
【卓レポ】ナックル性カットを身に付ける(戦型別ステップアップレッスン カット主戦型LESSON7)
ナックルカットは、基本のカットのスイングと見分けがつかないことで、対戦相手にとって脅威になる技術です。スイングはできる限り基本のカットに近づけるように、上から下方向へのスイングを意識します。
ナックルに近い球質でカットするためには、ボールを上から下に抑える感覚で打球するようにしましょう。
①飛んでくるボールに合わせてポジションを移動
②スタンスは肩幅程度広げ、重心を落として打球の準備をする
③ラケットを肩よりも高い位置まで上げて打球準備
④ラケットを上から振り下ろして、打球時には手首を使わずボールを抑える感覚で打つ
カーブロングの打ち方
卓レポ2017/10戦型別カット主戦型 カーブロング
打球するタイミングは、ボールをしっかりと引きつけて打球点を落とすように意識しましょう。打球点を落として引きつけることで、ボールが失速してカーブロングのコントロールがしやすくなります。
①飛んでくるボールに合わせてポジションを移動
②ボールが失速するまでしっかりと引きつけて、体の回転を使いながら下から上にスイング
③打球時はボールの外側を捉えて、軌道が曲がるように打つ
④打球時は強いインパクトではなく、ソフトタッチでコントロールする
カットマンになるためのカットの具体的な練習方法
素振りと多球練習はどちらも基本的な練習ですが、カットマンとして形をつくるためには基礎練習を繰り返すことが重要です。
素振りでカットのフォームを覚える
カットのスイングを何度も素振りすることで、カット特有のダウンスイングを体に覚えさせることができます。カットの素振りは1日30回程度でもかまわないので、毎日継続して取り組むことが重要になります。
淡々と素振りするだけではなく、自分の素振りを動画で撮ってフォームを確認することで、素振りがより効果的な練習になるのでおすすめです。
多球練習を取り入れる
女子カットマンの多球練習。全てのボールをカットするby庄司有貴【卓球】
最初はフォアカットやバックカットそれぞれ別で多球練習すると、カットの感覚を定着させやすくなります。フォア・バックどちらのカットもある程度できるようになれば、フォアカットとバックカットを組み合わせた多球練習のメニューを行っていきましょう。
・ドライブとストップ対応の練習・4球1セット×10回
フォアカット1本→フォアツッツキ1本→バックカット1本→バックツッツキ1本→繰り返し
・どんな球にも反応してカットで拾う練習・30球1セット
球出し側は全面にドライブを打つ→カットマンはコースを瞬時に判断してカットでボールを拾う
(球出し側は10球に1球程度ツッツキも混ぜることで、より試合形式に近い多球練習になる)
カットマンは魅力的なプレースタイル
カットマンを目指すのであれば、一般的なドライブマンと比較して数倍の努力が必要です。相手の強打を拾い続ける華麗さは、カットマンにしかない魅力であり、カットマンは努力する価値を見出せるプレースタイルです。
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