サッカーフォーメーションの解説決定版!最強戦術はどれだ?
サッカーは攻撃と守備が明確に役割分担されていた昔から、ポゼッション・トータルフットボールという現代の戦術まで、フォメーションは時代の流れと共に変化し続けています。現代サッカーのフォーメーションを解説し、海外・欧州の最強戦術とは何かと考えていきましょう。
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公式ライター Activel_director
サッカーのフォーメーションは多種多様
この記事では、現代のサッカーのフォーメーションを見て行き、その特徴やメリット・デメリットを解説していきたいと思います。現代の最強戦術はどれなのでしょう?
3列に布陣 | 4列に布陣 |
3−5−2 | 4−1−4−1 |
3−4−3 | 4−2−1−3 |
4−3−3 | 4−2−3−1 |
4−4−2 | 4−2−2−2 |
4−5−1 | 4−3−1−2 |
サッカーフォーメーション 3-5-2システムの解説
※3-5-2の基本フォーメーション
ディフェンス:3人
ミッドフィルダー:5人
フォワード:2人
1990年代サッカー界ではトレンドとされたシステムで、サッカー日本代表チームでは2002年ワールドカップでフィリップ・トルシエ監督が提唱したフラット3として採用されました。Jリーグにおいてもトレンドとされ、多くのチームが最強戦術として採用しました。
しかしサッカーの戦術も時代の流れと共に移り変わり、ゾーンディフェンスが主流となった2010年現代ではあまり使われることがなくなったサッカーフォーメーションと言えます。
3-4-1-2
ディフェンス3バックの前列にミッドフィルダー4枚が並び、オフェンシブハーフが1枚、最前列にフォワードが2枚という布陣のサッカーフォーメーションです。
3-4-1-2の特徴
守備は中盤の枚数が多いためボールを奪われたら近くの選手がフォアチェックし、ボールを奪ったらショートカウンターを仕掛けることが理想です。ショートカウンターを得意とするチームにとっては理論的に最強の戦術となります。
3-4-1-2のメリットは、中盤の枚数が多いため、相手陣内でボールを奪い、前線に2トップがいるためカウンターには向いたフォーメーションとなります。更に3バックのため、1人の相手フォワードに3人のうち1人がマッチアップしても余裕があるため、4-5-1の相手フォーメーションとは相性が良いシステムと言うことができます。
3-4-1-2のデメリットは、サイドハーフのスタミナが必要である点です。
サイドハーフの攻撃時はウイングの役目、守備時には時としてサイドバックの役目とその担う仕事が多いため、サイドハーフのスタミナ不足に陥ります。
そこでサイドの空いたスペースを突かれる危険性がありますので、3-4-1-2フォーメーションのカギを握るのはサイドハーフと言うことができます。
3-3-2-2
イタリアサッカー界ではマルチェロ・リッピがユベントスを率いた際に採用した布陣でもお馴染みなフォーメーションですが、現代でも人気のある戦術の一つです。
3-3-2-2の特徴
また、2トップとオフェンシブハーフでポジションチェンジを行うことで攻撃バリエーションが増え、最強なフォーメーションとなるでしょう。守備ではサイドハーフがサイドの守備を行い、ボランチが1枚しかいないので理論的にはオフェンシブハーフも中央をケアすることを求められるシステムです。
2トップと2枚のオフェンシブハーフ、両サイドハーフと攻撃バリエーションが豊富のため得点チャンスは生まれやすいと言えますが、両サイドハーフに求められる役割が多いため、スタミナ不足からサイドにスペースを与えてしまう危険性のあるフォーメーションです。そういう意味ではサイドハーフに優秀な選手がいるチームにとっては理論的に最強なフォーメーションといえます。
全体的にセンターよりのフォーメーションのため、ワイドに展開してくる相手には相性がよくないシステムと言うことができます。
サッカーフォーメーション 4-4-2システムの解説
その種類は現代ではフラット、ダイヤモンド、4-2-2-2、4-4-1-1、4-3-1-2、と複数のフォーメーションが存在します。攻撃と守備の役割が明確にされていた昔でも、攻撃も守備も行う現代でも対応できる万能型の戦術です。
4-4-2フラット
センターバック:2人
両サイドバック:2人
センターハーフ:2人
両サイドハーフ:2人
フォワード:2人
このような布陣を敷く戦術です。
4-4-2フラットの特徴
攻撃ではサイドバックがオーバーラップした場合はサイドハーフがカバーに入ることで、サイドハーフとサイドバックの連携が重要になるシステムと言えます。
チームワークに長けた現代の組織的なチームにとっては理論的に最強なフォーメーションと言えます。
サッカーフォーメーション4-4-2フラットシステムはサッカーのフォーメーションの中でも非常にバランスが取れた現代のゾーンディフェンスに適したサッカーフォーメーションといえます。しかし、マンツーマンディフェンスと違い連携が必要になります。
例えば相手選手のマークをどこで受け渡すのか、センターハーフとセンターバックの間のスペースに相手フォワードがポジショニングをとった場合はどのポジションの誰がマークするかを事前に想定しておく必要があります。
4-4-2ダイヤモンド
4-4-2ダイヤモンドシステムの特徴
4-4-2ダイヤモンドのメリット・デメリットの解説をしていきます。
2トップ、オフェンシブハーフのセンターアタックと、サイドハーフ、サイドバックのサイドアタックと、攻撃バリエーションは豊富になりますが、センターバックの前列にはボランチ1枚しかいないため、非常にリスクのあるサッカーフォーメーションといえます。
運動量が豊富でゲームコントロール能力に長けた冷静な判断ができる現代型ボランチがチームにいることで最強なフォーメーションとなります。
4-2-2-2
4-2-2-2の特徴
更にオフェンシブハーフは状況に応じてサイドハーフの役割も担い、センターアタック、サイドアタック両方を行うことができます。
オフェンシブハーフはサイドバックのオーバーラップを促すためにセンターにポジションをとったり、自らサイド攻撃を仕掛けるなど重要な役割を担い、ボランチはオフェンシブハーフの負荷を軽減させるためのサポートに回ります。
ポジショニング的にゾーン、マンツーマンディフェンスどちらにも対応できる現代型サッカーフォーメーションと言えます。
4-2-2-2のメリット・デメリットの解説をしていきます。
センターアタック、サイドアタックと豊富な攻撃バリエーションが可能で、ゾーンディフェンス、マンツーマンディフェンスのどちらにも対応できる万能型なサッカーフォーメーションと言える一方、中盤の4人に対する依存度は計り知れません。
オフェンシブハーフが抑えられると攻撃は停滞し、ボランチがオフェンシブハーフのサポートをできないと大変危険なサッカーフォーメーションとなります。
そのためボランチを多く配置してくる相手に対しては相性は悪いでしょう。理論的にはオフェンシブハーフの働きによって最強なフォーメーションに成り得ます。
4-4-1-1
4-4-1-1の特徴
攻撃は両サイドハーフと両サイドバックのサイド攻撃がしやすく、1列目のフォワードには長身の選手を置くことでクロスからの得点力があがります。守備はフラットに対応しているので、理論的にはゾーンディフェンスが有効なサッカーフォーメーションです。
4-4-1-1のメリットは1.5列目のフォワードを使える点です。最前列には長身の選手、1.5列目の選手には対照的に裏へ抜けるスピードを持った選手を入れることで相手ディフェンスのマークを混乱させることが期待できます。この1.5列目にスピード、ボールコントロール技術に優れた選手が入ると最強のフォーメーションになります。
守備時にはリトリートではなくフォアチェックしてしまうと陣形が崩れ、センターバックとセンターハーフの間のスペースなどを突かれ、バイタルエリアで危険な状況を生み出してしまいます。役割が増えた現代の戦術では、マークの受け渡しなどルールを確認しておくことが必要です。
4-3-1-2
4-3-1-2の特徴
4-3-1-2はボランチを3枚置いている点でディフェンス面では機能するサッカー戦術となります。しかし相手チームに現代主流のポゼッションをされるため必然的にディフェンス時間が長くなり、豊富な運動量と精神的なタフさが求められます。
更に理論的に攻撃人数が少ない分、カウンターの精度が悪いといくら失点を防いでも勝利できません。サッカー戦術的に4-3-1-2を採用した場合、攻撃的ポジションには能力の高い選手を配置することで現代最強のフォーメーションに成り得ます。
サッカーフォーメーション 3-4-3システムの解説
3-4-3フラット
3-4-3フラットの特徴
ディフェンダーが3人と枚数が少ないため、現代主流の3トップで攻撃してくる相手チームには相性はあまりよくないフォーメーションと言えます。
3-4-3は攻撃陣の枚数が多く、理論的に前線の両ウイングと中盤の両サイドハーフによる縦への突破など、前線に人数を増やしていることで多彩な攻撃が可能なフォーメーションになっています。また、ボールを奪われたら高い位置からハイプレスを仕掛けることができるフォーメーションで、ショートカウンターに向いています。
しかしディフェンスが3枚と少ないことから、サイドを突破されると危険な状況になってしまうことから、4-4-2のフォーメーションを採用してくる相手には相性がよくありません。
豊富な運動量で現代主流のハイプレスを仕掛けることができ、ショートカウンターを得意とするチームにとっては最強のフォーメーションです。
3-4-3ダイヤモンド
1974年ワールドカップ西ドイツ大会でオランダ代表監督のリヌス・ミケルスが、ヨハン・クライフを中心にしたトータルフットボールを世界に知らしめたサッカーシステムでも有名です。
このトータルフットボールが現代でも取り入れらているトータルフットボール、ポゼッションサッカーの原点です。現代ではハイプレスなども加わり、様々な変化を遂げています。
3-4-3ダイヤモンドの特徴
3-4-3ダイヤモンドのメリットは何と言っても攻撃力です。逆にディエンス時には枚数が少ないことが懸念材料です。
最終ラインは3枚と少なく、最終ラインの前列は1枚しかいないので、カウンターサッカーを仕掛けられたり、サイドを突破されたら危険な状況に陥ります。そのため、カウンターサッカーを展開してくる相手には相性がよくないシステムの一つです。
ポゼッションサッカーを主体としているチームでは現代でも取り入れられている戦術です。
3-2-2-3
3-2-2-3の特徴
攻撃的サッカーを展開する現代では特にヨーロッパで多く取り入れられています。
3-2-2-3という布陣のメリットは攻撃に枚数を増やすこと、特にセンターアタックによって得点チャンスを多く作り出すことにあります。
逆にデメリットは、守備陣の枚数の少なさによる相手カウンターサッカーに対する対応が遅れることです。更にディフェンスが3枚のため、サイドを崩されると危険な状況に陥ります。そのため、サイドをえぐるようなカウンターサッカーを展開してくる相手チームに対してはあまり相性がよくないシステムの一つです。
3-3-1-3
3-3-1-3の特徴
ディフェンスはボランチが3枚いることで中盤は安定し、相手のサイド攻撃に対してはボランチの両サイドが対応します。サイドアタックが主流の現代サッカーでは有効なフォーメーションです。
3-3-1-3のメリットは攻撃の厚みと、中盤守備の安定にあります。しかしサイドアタックは両ウイング頼みになり、ここを抑えられると攻撃が停滞し、守備ではサイドを突かれるとボランチの両サイドが下がり5バックという状況が続くことになり、オフェンスとディフェンスが完全に分断される危険があります。
両ウイングにスピード、ボールコントロール技術に優れた選手を配置することで最強のフォーメーションになります。
サッカーフォーメーション 4-5-1システムの解説
4-2-3-1
4-2-3-1の特徴
ポゼッションサッカーがトレンドの現代では受け入れられやすいフォーメーションと言えます。
4-2-3-1のメリットはサイドバックとサイドハーフが連携することで相手サイドを支配でき、ディフェンスでは現代的ハイプイレスディフェンスを仕掛けることでショートカウンターにつなげることができます。
デメリットとしては、フォワードが1枚な為、孤立する恐れがあり、サイド攻撃を封印されると攻撃が停滞する恐れがあります。そのため、相手チームに現代でいえばマルセロのような優れたサイドバックがいる場合には相性はあまりよくないシステムの一つと言えます。
サイドハーフとサイドバックの連携がうまく取れると最強のフォーメーションになります。
4-3-2-1
トリプルボランチに、オフェンシブハーフ2枚という中盤の底に厚みを持たせたサッカーフォーメーションです。現代のトレンドであるポゼッションサッカーを主体としているチームにとっては最強のフォーメーションに成り得ます。
4-3-2-1の特徴
ディフェンスについては3枚のボランチがいるため、相手のサイドアタックには両サイドのボランチが対応できる点でディフェンシブなサッカーシステムと言えます。
センターアタックに適したサッカーフォーメーションであるため、センターアタックが封じられると攻撃が停滞する可能性があります。サイドアタックを仕掛けられた場合に両サイドのボランチが対応できますが、両ボランチがサイドアタックを仕掛けてボールを奪われた際のカウンターに対する対応を決めておかないと危険な状況を生み出す恐れがあります。
そのため、鉄壁なセンターバック陣を配する、現代のカウンターサッカーを主体としてくるチームに対しては相性はあまりよくないシステムの一つです。
4-1-4-1
この4-1-4-1は2004年チャンピオンズリーグで優勝したFCポルト、ユーロ2004で優勝したギリシャ代表が採用した戦術で、それ以前に4-1-4-1はチェコ代表やトルコ代表が採用したサッカー戦術としてトレンドが始まりました。それ以降も現代では多くのチームが取り入れている戦術です。
4-1-4-1の特徴
最強と言われるには、センターハーフは引いてボールを保持し、サイドアタックを演出したり、ドリブル突破したり、バイタルエリアへ突き刺すようなパスを出したりと、ゲームメイクに必要な技術を要する選手が必要です。
4-1-4-1のメリットは攻撃の厚みです。ワントップですが、その周りをセンターハーフ、サイドハーフの4人がカバーし、サイドアタックや2列目からの飛び出しなど攻撃バリエーションは豊富なフォーメーションです。4-1-4-1のデメリットとしては、ボランチが1枚なため、ボランチのサイドを突破されてしまうと一気にバイタルエリアにスペースができてしまい危険な状況に陥ることです。
そのため、裏への抜け出しを得意としてくる相手チームに対しては、あまり相性はよくないシステムの一つと言えます。
サッカーフォーメーション 4-3-3システムの解説
4-3-3フラット
4-3-3フラットの特徴
守備については前線の3枚が高い位置からフォアチェックに行けばショートカウンターのチャンスが生まれますが、失敗すると中盤にスペースが空いてしまうため、リトリートを選択するチームが多いように見受けられます。
トータルフットボールがトレンドと言われる現代では、リーガエスパニョーラなどでも多くのチームが採用している最強システムです。
4-3-3フラットのメリットは、両ウイング、両サイドバックからのサイドアタックやセンターアタックと攻撃力で相手を圧倒することが可能な半面、デメリットとして守備に不安がある点があげられます。
センターハーフが相手陣内に押し込み、上がり気味なポジション時にカウンターサッカーを仕掛けられるとセンターバックが対応せざるを得ず、一気に危険な状況に陥ります。カウンターサッカーを得意とする戦術に対しては相性がよくないシステムといえます。
4-2-1-3
4-2-1-3の特徴
4-2-1-3のメリット・デメリットの解説をしていきます。4-2-1-3はオフェンシブハーフに、ボールテクニック能力・シュート力・強靭なフィジカルを兼ね備えた絶対的な選手がいるチームにはまさに最強なサッカー戦術といえます。反面、このオフェンシブハーフが抑え込まれると、攻撃が停滞してしまい、ボランチやサイドバックがオーバーラップを試みる機会が増え、陣形のバランスを崩してしまいます。
そのため、マンマークのスペシャリストを要する相手には相性があまりよくないシステムと言えます。
サッカーフォーメーションのまとめ
様々なサッカーフォーメーション理論があるある中で、一番最強なフォーメーションは自チームにあったフォーメーションということは変わりありません。
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