大胸筋下部の鍛え方5選!ダンベル&腕立て編【初心者ガイド】
綺麗な大胸筋を作るためには、大胸筋下部を発達させる必要があります。大胸筋下部を鍛えることのメリットや、簡単な筋肉の位置・仕組みについてのこと、自宅でもできるような腕立て伏せやダンベルを使った基礎的な大胸筋下部の鍛え方を紹介します。
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公式ライター kaki44
大胸筋を鍛えるメリット
特に大胸筋下部を鍛えることで、胸部から腹部にかけてのメリハリがつき、身体の凹凸が強調されます。
また、大胸筋を鍛えることで前方に押す力が強くなります。台車を押すときや荷物などを頭上に押し出すときに使われます。
スポーツの場面では、コンタクトスポーツで重い相手を押したり、チェストパスを速くするのに役立ちます。
大胸筋の位置・仕組み
大胸筋の起始は大胸筋の上部か下部かによって分かれます。
簡単にいうと、大胸筋上部は鎖骨の内側半分から二の腕のやや肩側の部分まで付いて、大胸筋下部は胸の真ん中あたり一帯から二の腕のやや肩側の部分まで付いています。
難しくいうと、大胸筋上部の起始は鎖骨の内側前方の二分の一のところにあり、大胸筋下部の起始は第1~6肋骨の肋軟骨の前面とその胸骨部分にあります。大胸筋の停止は上部・下部いずれも上腕骨の大結節稜にあります。
ちなみに、起始とは筋肉の始まる場所のことで、停止とは筋肉の終わる場所のことをいいます。
大胸筋が伸び縮みすることで、腕や肩が動きます。大胸筋下部の場合、腕を内側に移動させたり、上に上がった腕を下に降ろしたりする働きがあります。
大胸筋の下部の鍛え方は、大胸筋下部の働きに沿った鍛え方である必要があります。
大胸筋下部を鍛えるためには
大胸筋下部の位置については前の項のとおりで、肩が動き過ぎない程度に固定して、腕を前方に押し出す動きをしていれば、大胸筋下部に負荷は行きます。
そこからさらに大胸筋下部を強調して鍛えるためには、腕を押し出すときにやや足側に向かって押すような軌道にする必要があります。
このことを念頭に入れて、これから紹介する鍛え方の説明をご覧ください。
腕立て伏せ
腕立て伏せのやり方
大胸筋下部を使った腕立て伏せを行うためには、肘の位置を動かさないことが肝要です。反対にいうと、これさえ気をつければ、大胸筋下部に大きな負荷がかかるような鍛え方になります。
腕立て伏せは導入はしやすい(自宅でもできる)のですが、決して簡単な鍛え方ではありません。
大胸筋下部にも効果的な鍛え方である腕立て伏せのやり方は以下のとおりです。
2.足を後ろに伸ばして、つま先で床を押します
3.手と手の間にみぞおちを入れるように身体を下ろします
4.肘が横から見て90度になったら切り返します
5.肘が伸び切ったら、また身体を下ろします
腕立て伏せのポイント
また、手首から肘までを極力動かさないことによって、肩や腕の負荷が減り、そのぶん大胸筋への負荷が増えていきます。横から見て、肘が動かずに頭と肩が動いているような腕立て伏せが理想的です。
腕立て伏せの手幅について
大胸筋下部をメインに鍛えるときは、腕立て伏せの手幅を肩幅の手のひら1枚分外側程度にして行うと効果的です。
なぜなら、大胸筋下部が大きくストレッチした状態で身体を下ろすことができるので大胸筋下部に刺激がいきやすいからです。
もし、腕立て伏せの手幅を肩幅程度、または肩幅よりも狭くしてしまうと、上腕三頭筋の鍛え方としての腕立て伏せになってしまいます。
なぜなら、胸よりも腕の筋肉である上腕三頭筋に負荷が移ってしまうからです。上腕三頭筋の鍛え方として腕立て伏せをしているのであれば、この鍛え方は避けておいた方がいいでしょう。
大胸筋を鍛えることが目的の腕立て伏せになるように、腕立て伏せの手幅は細かくチェックしいきましょう。
腕立て伏せのメリット
腕立て伏せをするには、場所も取らないので、自宅でも行うことができる便利な鍛え方といえます。
腕立て伏せは回数やテンポを変えることで、強度を変えることもできるのでおすすめの鍛え方です。腕立て伏せは方法を間違えなければ、怪我のリスクが少ないという点でもおすすめです。
ダンベルフロアプレス
ダンベルフロアプレスのやり方
床に上背部を押し付けるような形になるので、肩を痛めるリスクを抑えながら大胸筋下部を鍛えることができる安全性の高いダンベル種目といえます。初心者の方にもおすすめの種目です。やり方は以下のとおりです。
2.みぞおちのとなりあたりに肘を置くようにして引きます
3.二の腕の裏が床に触れたら、肩の真上まで押します
ダンベルフロアプレスのポイント
ダンベルフロアプレスやこの後紹介するダンベルベンチプレスはダンベルを使う種目です。
ダンベルを扱い慣れていない方にとって、ダンベルでの胸の種目は、基本的には寝た状態で顔や身体の上でダンベルが動くので、少しばかり恐怖心も芽ばえると思います。
そこで、太ももの上にダンベルを置いて、持ち上げるようにして行うと安全にダンベルを運ぶことができます。
ダンベルフロアプレスのポイント
ちなみに、骨盤を上げたまま行うダンベルフロアプレスは大胸筋下部に大きな負荷を与えま
る鍛え方です。覚えておいて損はありません。
ダンベルフロアプレスのメリット
つまり、自宅でのトレーニングでベンチがないという環境でも、ダンベルフロアプレスだと行うことができます。
自宅でのトレーニングで重量で負荷を調節できるということは、簡単なプログラムが組めることにつながるので、トレーニングのバリエーションが増えるという点でもメリットといえます。
また、ダンベルフロアプレスで得られる背中で床を押すという感覚は、これから紹介するダンベルベンチプレスにも活きる感覚なので、ダンベルベンチプレスが伸びなくなったときにもダンベルフロアプレスは有効です。
ダンベルベンチプレス
ダンベルベンチプレスのやり方
あと、ダンベルベンチプレスは高重量を扱うことができる種目なので、初心者の方は楽しいと感じる種目だと思います。やり方は以下のとおりです。
2.肩に痛みが出ない程度にダンベルを胸のとなりに引きます
3.胸を伸ばせるところまで伸ばしたら、切り返してダンベルを押します
ダンベルベンチプレスのポイント
2.太ももの上にダンベルを置いた状態でグリップを確認します
3.ダンベルを蹴り上げるようにしながら、ベンチの上に寝ます
4.ダンベルを蹴り上げた反動を利用して、肩の上にダンベルが来るようにします
ダンベルを安全に降ろすときは、この手順を反対にすれば楽にダンベルを扱うことができます。
また、セット中に関しては、自分のやりやすいダンベルの軌道を見つけることが大事です。軽い重量から試してみましょう。
ダンベルベンチプレスのポイント
ダンベルベンチプレスのメリット
扱うことができる重量の幅が増えることで、トレーニングのバリエーションが増えます。基礎体力も付くので、初心者の方はダンベルベンチプレスだけでも充分なくらいです。それだけ基礎的な鍛え方です。
また、ダンベルベンチプレスは可動域をたくさん取ることができる種目でもあります。可動域を広く取ることで、大胸筋下部により強い負荷をかけることができるようになります。
単関節運動種目について
初心者の方には、全体的な筋力を高めることができる多関節運動を優先してほしいということから多関節運動の鍛え方を先に紹介しました。
初心者の方が全体の基礎的な筋力がない状態で、いきなり大胸筋のみのトレーニングを行ってもあまり効果が期待できないということと、初心者の方にはダンベルの扱いに慣れてほしいということから、これまで単関節運動の鍛え方を紹介しませんでした。
これからは、単関節運動というひとつの関節が動く鍛え方を紹介していきます。
初心者の方は単関節運動の鍛え方を導入する前に多関節運動の鍛え方をやり込んでから読み進めてください。
ダンベルフライ
ダンベルフライのやり方
ダンベルフライとダンベルベンチプレスと違う点は二の腕を使うかどうかです。ダンベルフライで動く関節は肩関節だけです。肩関節だけ動くので、ダイレクトに大胸筋の下部に負荷が来るようになります。
ダンベルフライは大胸筋下部を鍛えるトレーニング方法の中では、初心者の方が難しいと感じる鍛え方です。やり方は以下のとおりです。
2.みぞおちの真横にグリップが来るように肘を床側に引きます
3.肘を絞るようにしてダンベルを肩の上に持ち上げます
ダンベルフライのポイント
もし、怪我のリスクを避けつつ重いダンベルでのダンベルフライをするのであれば、ダンベルの真下に肘を置くということを心掛けてみてください。
ダンベルフライのメリット
腕立て伏せのような多関節運動をやり込んだあと、ダンベルフライで追い込むというように大胸筋下部のトレーニングに奥行きが出るようになります。大胸筋下部の筋肉を追い込むときはこのやり方が有効です。
また、狭い手幅の腕立て伏せといった腕の種目を行った後のような、腕の筋肉がきつい状態でも胸の筋肉のトレーニングができるというところもメリットといえます。そのことにより、トレーニングサイクルにも幅が出てきます。
ダンベルプルオーバー
ダンベルプルオーバーのやり方
ダンベルプルオーバーは最近の筋トレのマニュアル本とかには載っていない、昔の鍛え方として扱われることが多い種目です。
廃れてしまった理由は、初心者の方が行いにくい鍛え方だったからだといわれています。
やり方は以下のとおりです。
2.ダンベルをみぞおちの延長線上に来るように腕を伸ばします
3.肩を軸にしてダンベルを頭側に移動させます
4.頭と同じ高さにダンベルが来たら切り返します
ダンベルプルオーバーのポイント
肩の位置を固定することで、正しい軌道でダンベルをコントロールすることができます。反対にいうと、肩の位置がコントロールできないような重量を扱わないようにすることが大胸筋下部の筋肉量増加に効果的なダンベルプルオーバーをするためには必要です。
座り方を工夫することでも、ダンベルプルオーバーの質を上げることができます。
ベンチ台の長辺と背骨が平行になるように座って行うタイプのダンベルプルオーバーは腰の保護の効果も期待できます。それでも腰が反るようであれば、重量を下げた方がいいでしょう。
また、ベンチ台と背骨が垂直になるように座って行うタイプのダンベルプルオーバーは、腰が反りやすいというデメリットの代わりに大胸筋下部の可動域を大きく取ることができます。
この2つのポイントを押さえることができれば、簡単に大胸筋下部を上手く鍛えることができます。
ダンベルプルオーバーのポイント
ダンベルプルオーバーのメリット
また、ダンベルプルオーバーの動作が胸郭の拡大を促すことがあります。正しくダンベルプルオーバーを行えば、胸郭が広がったことによる、姿勢の改善や肩痛の予防、最大酸素摂取量の増大といった効果が期待できます。そういった作用もダンベルプルオーバーのメリットといえます。
実際の大胸筋のトレーニングメニュー例
基本的なトレーニングの順番は、多関節運動→単関節運動の順番で行います。なぜなら、多関節運動の鍛え方のほうが単関節運動の鍛え方よりも扱う重量および筋肉量が大きいからです。
安全性という面や筋肉の動員数という面の両方を考慮しても、多関節運動→単関節運動のほうがいいでしょう。
大胸筋(下部)に特化したトレーニングメニュー
ダンベルフライ:3セット
プルオーバー:3セット
トレーニングメニューは、このような内容が理想的です。ただ、環境によってはできない種目もあるかもしれません。もダンベルがない環境の場合は、腕立て伏せをやり込んでみてください。
トレーニングのセット数も3セット以上にしてほしいところです。2セット以下だと筋肉の損傷があまり大きくならないからです。トレーニングメニューを組んで、続けていくうちにみなさんの理想の胸に近づいていくと思います。
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