アラバロールとは?グアルディオラが見出した戦術を簡単に解説!
アラバロールとは、ダビド・アラバ選手、グアルディオラ監督によって見出された戦術です。アラバロール戦術は、見出された当時は今までのサイドバックの概念を覆す、斬新なアイディアでした。アラバロールが現代のサッカーで有効な戦術として認知されています。
Writer
公式ライター Activel_director
アラバロールとは?
サイドバックでありながら、攻撃時には中盤の選手のようにプレーするため偽サイドバックとも言わます。ダビド・アラバはその偽サイドバックの役割を高いレベルでこなしました。そして偽サイドバックの先駆者的存在となったため、彼の名前を用いてそのような役割をアラバロールと呼ぶようになりました。
アラバロールのメカニズム
サイドバックがアラバロールを行う時はウイングが幅をとる役割となるため、大きく外に開くことが必要です。
そのようにアラバロールはチーム全体でバランスを保つことで機能します。
アラバロールを知るために理解したい戦術用語
以下に説明する戦術用語を理解することは、アラバロールをより有効に生かすための一助になります。
5レーン理論
例えばグアルディオラ監督は同じレーンに近くの味方の選手が入らない、隣のレーンの選手とは斜めの関係になるようにポジションを取る、などルールを決めて活用していました。
5レーン理論はグアルディオラ監督が活用したの後、現代サッカーの戦術のトレンドとなりました。
ポジショナルプレー
位置的優位、質的優位、数的優位の3つの優位性を利用して攻守において意図的なプレーを試みます。アラバロールもポジショナルプレーの概念に基づき発案されました。
インナーラップ
従来サイドバックは、サイドで味方がボールを持った時は外側を回るオーバーラップで攻撃参加することが多く見られました。しかし現代サッカーではアラバロールの発案などによりサイドバックが内側を取ることが増えて、内側から味方を追い越していくインナーナップも積極的に使われます。
アラバロールのメリット
アラバロールは攻守両局面で、試合を優位に進めるために必要な要素が含まれた非常に考え抜かれた戦術です。
中央で数的優位を作り出せる
本来ならばサイドバックは相手のプレッシャーの狙い所となりやすいポジションです。タッチライン沿いにポジションを取るため、180°のプレーエリアしか確保されず、相手はプレッシャーをかけやすいのです。しかし、内側にポシジョンを取ることで360°の選択肢が生まれ、そのような問題も解消できます。
ウイングへのパスコースを作り出せる
アラバロールを行い内側にポジションを取ると、マークしている相手も内側へ絞るため、ウイングへのパスコースが生まれます。
するとウイングへのパスの供給が容易になり、突破力の高い選手をウイングに配置しておけばより多くのチャンスを作り出せます。
逆に強力なウイングプレイヤーがいないチームはアラバロールの効果が薄れてしまいます。
カウンター対策
攻撃時に相手を押し込んでいる時に、サイドバックがボランチのポジションを取れば相手のクリアしたセカンドボールを拾う可能性が高まります。
また、カウンターを受けた時でも最も危険な中央のルートを消すことで、カウンターから失点に直結する可能性を下げることもできます。
アラバロールに求められる能力
戦術理解度
アラバロールは攻撃時にボランチの位置に入りますが、相手が中央に密集している時など、状況によっては外のスペースを使う方が良い場合もあります。
そうすることで、外のスペースを利用して前進できたり、外のスペースを利用しようとすることで相手の守備組織を広げることができます。
アラバロールを行う選手はそうした戦術的意図を理解しながらプレーする必要があります。
テクニック
アラバロールを行う選手は後方からのゲームの組み立てやゴール前へのラストパスなど攻撃時に重要な役割を担うため、中途半端なテクニックでは務まりません。
最近ではもともとミッドフィルダーだった選手がアラバロールを行うこともあり、高いテクニックが要求されていることが伺えます。
フィジカル能力
アラバロールでは後方でボランチのサポートをしながらゲームを組み立て、チャンスには最前線までスプリントします。また、攻撃的なポジションをとっている時に味方がボールを失えば、全力でディフェンスラインまで戻るため、高い走力は必須です。
そして、守備時には相手のカウンターを食い止めなくてはいけません。スピードに乗った屈強なFWを止めるためにはスピード・パワーが必要です。
アラバロールを実践するチーム
両チームとも見事にアラバロールを生かし、国内リーグを制覇しています。
バイエルン・ミュンヘン
当時のバイエルン・ミュンヘンにはリベリーやロッベンと言った世界屈指のウイングプレーヤーを要していました。その選手の特徴を最大限に生かすためにダビド・アラバがアラバロールを行い中央でプレーを行います。
両ウイングを生かすだけではなく、アラバ自らもインナーラップで積極的にゴールを狙い、その攻撃は相手に脅威を与えました。
マンチェスター・シティ
ジンチェンコなど、もともとゲームメイカータイプだった選手を偽サイドバックに起用します。背番号10番をつけても不思議ではない選手を偽サイドバックに起用することで、ボールポゼッション力は格段に向上しました。
ジンチェンコ、デブライネ、ダヴィド・シルバなど世界的名手が揃う中盤の構成力はずば抜けており、あらゆる相手をポゼッションで圧倒します。
アラバロールはサイドバックの新境地!
アラバロールが使われてから、サイドバックに起用される選手の質は明らかに変わってきています。それまではとにかく走力が高い選手が求められる傾向にありましたが、今ではサイドバックにも高いテクニックが要求されます。
サイドバックのあらゆる可能性を示したアラバロールは、今後も有効な戦術の1つとして利用され続けていくはずです。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。