ポゼッションサッカーとは何か?サッカー戦術理論を解説!
様々あるサッカー戦術の中で、バルセロナやスペイン代表、ドイツ代表が採用しているのがポゼッションサッカーです。その対義戦術としてあげられるのが守備的陣形から一気にカウンターを仕掛けるリアルサッカーです。今回は強豪チームが採用するポゼッションサッカーに焦点をあて、ポゼッションサッカー戦術理論を解説します。
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公式ライター Activel_director
ポゼッションとは何か?
ポゼッションとは、そのチームがボールを保持し、支配することを意味します。そして1試合においてどれだけボールを保持し、支配したかを数字で表したものがポゼッション率です。
例えば前後半45分ハーフの試合で90分戦い、Aチームのポゼッション率が60%、Bチームのポゼッション率が40%の場合、Aチームは90分間のうち54分間ポゼッションし、Bチームは残りの36分間しかポゼッションできなかったことになります。
ポゼッション率を上げるには?
それではポゼッション率を高めるためにはどのようにすれば良いのでしょうか?
まず考えられるのが相手チームに簡単にボールを奪われないよう、ディフェンスラインから前線へのロングボールやサイドからのクロスをできる限り避けるということです。
これらの長いボールに頼らず、1タッチ2タッチで細かいショートパスを繋いで相手にボールを奪われない技術、更に1対1で簡単にボールを奪われない高い技術が求められます。
ポゼッションサッカーとは何か?
ポゼッションサッカーに対抗するのが守備的な陣形からカウンターを仕掛けるリアルサッカーということです。
それではこのポゼッションサッカーの考え方の基本には何があるのでしょうか?ポゼッションを意識して練習する際には非常に重要な要点になります
ポゼッションしている限り失点することは無い
言い換えれば「攻撃は最大の防御」という意味で解釈され、守備的な戦術という捉え方もできます。しかし当たり前の話ですが、ボールを支配し続けることは簡単ではありません。そのためにはそれ相応の練習量が必要になります。
テクニックに対する絶対的な自信
この技術に対する絶対的な自信が無ければポゼッションサッカーは体をなさないものになり、戦術として意味がなくなります。ポゼッションサッカーを採用する前に、これらの技術を練習で磨いておくことが大前提になるわけです。
ハイプレス
ショートパスで繋ぎながら相手陣内に攻め込むわけですから、自然に味方同士の距離も近くなります。そこで相手陣内でボールを奪われた際には近くにいる味方と連携してハイプレスを仕掛け、再びポゼッションサッカーを繰り返すことで、常に相手陣内でプレーすることを目指しているわけです。
相手陣内から自陣内まで戻ることを繰り返すことは体力消耗に繋がります。普段の練習から守備的にならず、ハイプレスを意識することが必要になります。
ポゼッションサッカー戦術理論
ポゼッションサッカー戦術理論 攻撃編
相手陣内に入っても簡単にクロスをあげたりせず、縦横にショートパスでボールを動かし、スペースが生まれるのを待ちます。
仮に相手守備陣がブロックを組んできた場合、ここでもクロスを上げたりはせず、バイタルエリアへ突き刺すパスを何度かチャレンジします。
もし相手に奪われても味方陣形がコンパクトになっているため、すぐに複数でプレスを仕掛ける練習を徹底することが重要です。
攻撃時のポイント
ポゼッションサッカー戦術理論 守備編
もしもボールを奪われた場合はディフェンスラインの裏に大きなスペースが空いてしまっているので、数秒でも時間を稼ぐ必要があります。そこでボールを奪われた場合は、ボールホルダーに一番近い選手がプレスし、味方ディフェンスラインが整うまでの時間を稼ぐことが重要になります。
ポゼッションサッカーの理想としては、すぐにボールを奪い返して終始相手陣内でサッカーを展開することですが、仮にボールを奪いかえすことができなくても複数人でプレスを仕掛け、相手選手に前を向かせずパスコースを塞いで時間を稼いだり、苦し紛れのパスを誘導します。
守備時のポイント
いかに瞬時にディフェンスラインを整えられるか、言い換えれば攻守の切り替えができるかがポイントといえます。
ポゼッション率が高くても負けることはある
拮抗した試合の中で、先ほどもお話ししたように、カウンターをくらう場面はありえるということを意味しています。ポゼッションサッカーに対するリアクションサッカーがそれです。
そもそもリアクションサッカーはポゼッション率を意識せず、守備的陣形で相手を自陣内に誘い込み、ボールを奪ったら相手ディフェンスラインが整う前に攻撃を仕掛けてゴールを奪うということを理想としています。
バルセロナのようなスター軍団が仕掛けてくるポゼッションサッカーに対して、同じくポゼッションサッカーで真っ向勝負を挑めるチームはほとんどなく、このようなチームには守備的に構え、カウンターを狙う戦術が有効とされています。
ポゼッションサッカーに必要な要素
ポゼッションサッカーはショートパスを繋ぎボールを保持しながら相手陣内へ押し込み、スペースを見つけながら相手を崩していくわけですが、そこに必要な要素をまとめると、次のようになります。
・狭いスペースで素早く正確なショートパスで連携できるテクニック
・オフ・ザ・ボールでのスペースへ切り込む判断力
・テクニックを兼ね備えたスピードスターなセンターバック
・走りながらパスを繋ぐ能力
狭いスペースで素早く正確なショートパスで連携できるテクニック
オフ・ザ・ボールでのスペースへ切り込む判断力
テクニックを兼ね備えたスピードスターなセンターバック
走りながらパスを繋ぐ能力
そこでビルドアップ時には走りながら、相手ディフェンスラインが整う前にできるだけ速く相手陣内に侵入したり、オフ・ザ・ボール選手はアップダウンを繰り返したりと走りながらパスを繋ぐ能力が重要になります。ブラジルワールドカップで優勝したドイツ代表などは徹底的に練習を繰り返し、実践した正に典型的な例と言えます。
日本代表のポゼッションサッカーとは?
そこで得た本当の意味でのポゼッションサッカーとは、簡単ではなく、全員の高度なボールコントロール技術、全員の献身的な攻守に渡るフォローがあって初めて成り立つものでした。
日本代表のポゼッションサッカーが世界で通用しなかった理由
・世界に通用しない技術力不足
・練習時間が無いための連動制の無さ
・ポゼッションサッカーに適応できるスピードとテクニックを兼ね備えたセンターバックの不在
・予選では3-4-3という攻撃的布陣を敷いたにも関わらず、準備不足から本大会では4-2-3-1の守備的布陣を採用した
現在の日本代表のポゼッションサッカー戦術理論
ポゼッションサッカーを取り入れ、世界の壁を痛感した日本代表でしたが、現監督のハリルホジッチ監督が目指したものは、ザッケローニ元監督のポゼッションサッカーにカウンターのリアルサッカーを融合したものでした。
バルセロナのように高度な技術も無く、連携を深める練習もままならない欠点を補うため、高い位置からハイプレスを仕掛け、ボールを奪ったら相手ディフェンスラインが整う前に縦に速いショートカウンターを展開するものでした。
代名詞といえるデュエルを重視し、1対1の強さを求める練習を重ね、球際の強さでは一定の成果を見せています。
ポゼッションサッカー戦術が光った時とは?
ハリル監督のオーストラリア戦!
昌子は元々フォワードの選手で練習熱心だったことから足元の技術に卓越しており、スピードも兼ね備えた正にポゼッションサッカーに適したセンターバックです。そしてボールを奪ったらオーストラリアのディフェンスラインが整う前に縦へのカウンターを仕掛け、幾度とチャンスを作り、オーストラリアを翻弄しました。
ポゼッションサッカーのまとめ
ボールタッチ、パス、ドリブル、判断力、連携力など様々な分野で高度な技術が求められるポゼッションサッカーですが、これらのスキルが無ければ無意味となってしまうボゼッションサッカー。
時代と共に戦術は変わると言われますが、ハリルホジッチ監督率いる日本代表のようにリアクションサッカーを融合したり、ハイプレスからショートカウンターを試みたり、バルセロナのようにメッシにボールを集める戦術だったり、トットナムのようにボールを下げずに常に前に運ぶことを意識する戦術も存在します。
ポゼッションサッカーとはそのチームの形態に落とし込む基礎的戦術という事が言えます。
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