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ポゼッションサッカーとは何か?サッカー戦術理論を解説!

ポゼッションサッカーとは何か?サッカー戦術理論を解説!

様々あるサッカー戦術の中で、バルセロナやスペイン代表、ドイツ代表が採用しているのがポゼッションサッカーです。その対義戦術としてあげられるのが守備的陣形から一気にカウンターを仕掛けるリアルサッカーです。今回は強豪チームが採用するポゼッションサッカーに焦点をあて、ポゼッションサッカー戦術理論を解説します。

2022.11.23 サッカー

ポゼッションとは何か?

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サッカーにおけるポゼッションとは、どのような意味なのでしょうか?

ポゼッションとは、そのチームがボールを保持し、支配することを意味します。そして1試合においてどれだけボールを保持し、支配したかを数字で表したものがポゼッション率です。

例えば前後半45分ハーフの試合で90分戦い、Aチームのポゼッション率が60%、Bチームのポゼッション率が40%の場合、Aチームは90分間のうち54分間ポゼッションし、Bチームは残りの36分間しかポゼッションできなかったことになります。

ポゼッション率を上げるには?

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ポゼッション率が高いとはどのような意味か、それは試合を通してボールを保持し、支配する時間が長いという意味で、ポゼッション率が高ければそれだけ得点の可能性が高かったという意味です。
それではポゼッション率を高めるためにはどのようにすれば良いのでしょうか?

まず考えられるのが相手チームに簡単にボールを奪われないよう、ディフェンスラインから前線へのロングボールやサイドからのクロスをできる限り避けるということです。

これらの長いボールに頼らず、1タッチ2タッチで細かいショートパスを繋いで相手にボールを奪われない技術、更に1対1で簡単にボールを奪われない高い技術が求められます。

ポゼッションサッカーとは何か?

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以上の説明から言えることは、サッカー戦術のうちポゼッションサッカーとは、相手にボールを奪われるリスクを最小限に抑え、細かいショートパスでボールを保持しながら相手陣形を崩してゴールを奪うサッカー戦術理論という意味になります。

ポゼッションサッカーに対抗するのが守備的な陣形からカウンターを仕掛けるリアルサッカーということです。

それではこのポゼッションサッカーの考え方の基本には何があるのでしょうか?ポゼッションを意識して練習する際には非常に重要な要点になります

ポゼッションしている限り失点することは無い

自チームがボールを奪われない限り、相手に得点チャンスは生まれないという理論です。つまりポゼッションしている限り失点することは無いという考え方です。

言い換えれば「攻撃は最大の防御」という意味で解釈され、守備的な戦術という捉え方もできます。しかし当たり前の話ですが、ボールを支配し続けることは簡単ではありません。そのためにはそれ相応の練習量が必要になります。

テクニックに対する絶対的な自信

そこで求められるのがボールコントロール技術、味方同士のショートパスの連携力などの技術です。

この技術に対する絶対的な自信が無ければポゼッションサッカーは体をなさないものになり、戦術として意味がなくなります。ポゼッションサッカーを採用する前に、これらの技術を練習で磨いておくことが大前提になるわけです。
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ハイプレス

ショートパスで繋ぎながら相手陣内に攻め込むわけですから、自然に味方同士の距離も近くなります。そこで相手陣内でボールを奪われた際には近くにいる味方と連携してハイプレスを仕掛け、再びポゼッションサッカーを繰り返すことで、常に相手陣内でプレーすることを目指しているわけです。

相手陣内から自陣内まで戻ることを繰り返すことは体力消耗に繋がります。普段の練習から守備的にならず、ハイプレスを意識することが必要になります。

ポゼッションサッカー戦術理論

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それではポゼッションサッカーとはどのような意味かがわかったところで、戦術理論についてお話していきます。以下では攻撃編の理論、守備編の理論に分けて説明していきます。

ポゼッションサッカー戦術理論 攻撃編

ポゼッションサッカーでは相手にボールを奪われるリスクが高いロングボールは避ける傾向があります。そのため、自陣内でボールを保持したらショートパスでビルドアップし、陣形をコンパクトにして人数をかけて相手陣内へ侵入します。

相手陣内に入っても簡単にクロスをあげたりせず、縦横にショートパスでボールを動かし、スペースが生まれるのを待ちます。

仮に相手守備陣がブロックを組んできた場合、ここでもクロスを上げたりはせず、バイタルエリアへ突き刺すパスを何度かチャレンジします。

もし相手に奪われても味方陣形がコンパクトになっているため、すぐに複数でプレスを仕掛ける練習を徹底することが重要です。

攻撃時のポイント

どのようなチームにもストライカーや司令塔的な役割、つまりキーマンになる選手がいます。このような攻撃的な選手になるべく早くボールを集めることがポイントです。ポゼッションサッカーだからといってディフェンスラインだけでショートパスを繋いでも相手チームにとって脅威とはならず、更に前線の選手にボールが渡らなければ孤立してしまい動きだし難くなってしまいます。

ポゼッションサッカー戦術理論 守備編

ポゼッションサッカーの場合、陣形がコンパクトになるため、味方ディフェンダーも相手陣内に入ることが多くなります。

もしもボールを奪われた場合はディフェンスラインの裏に大きなスペースが空いてしまっているので、数秒でも時間を稼ぐ必要があります。そこでボールを奪われた場合は、ボールホルダーに一番近い選手がプレスし、味方ディフェンスラインが整うまでの時間を稼ぐことが重要になります。

ポゼッションサッカーの理想としては、すぐにボールを奪い返して終始相手陣内でサッカーを展開することですが、仮にボールを奪いかえすことができなくても複数人でプレスを仕掛け、相手選手に前を向かせずパスコースを塞いで時間を稼いだり、苦し紛れのパスを誘導します。

守備時のポイント

バルセロナのようなポゼッションサッカーを採用しているチームのセンターバックには、長身でフィジカルに強い選手ではなく、小柄でも足が速いマスケラーノのような選手を起用しています。これは相手陣内に侵入した際にボールを奪われてもすぐにディフェンスラインに戻れるスピードを優先しているという意味からです。決して守備的になるという意味ではありません。
いかに瞬時にディフェンスラインを整えられるか、言い換えれば攻守の切り替えができるかがポイントといえます。

ポゼッション率が高くても負けることはある

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ポゼッション率が高ければ失点のリスクは低いという理論になっていますが、必ずしもポゼッション率が高ければ勝てるということにはつながりません。

拮抗した試合の中で、先ほどもお話ししたように、カウンターをくらう場面はありえるということを意味しています。ポゼッションサッカーに対するリアクションサッカーがそれです。

そもそもリアクションサッカーはポゼッション率を意識せず、守備的陣形で相手を自陣内に誘い込み、ボールを奪ったら相手ディフェンスラインが整う前に攻撃を仕掛けてゴールを奪うということを理想としています。

バルセロナのようなスター軍団が仕掛けてくるポゼッションサッカーに対して、同じくポゼッションサッカーで真っ向勝負を挑めるチームはほとんどなく、このようなチームには守備的に構え、カウンターを狙う戦術が有効とされています。

ポゼッションサッカーに必要な要素

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ポゼッションサッカーはショートパスを繋ぎボールを保持しながら相手陣内へ押し込み、スペースを見つけながら相手を崩していくわけですが、そこに必要な要素をまとめると、次のようになります。

・狭いスペースで素早く正確なショートパスで連携できるテクニック ・オフ・ザ・ボールでのスペースへ切り込む判断力
・テクニックを兼ね備えたスピードスターなセンターバック
・走りながらパスを繋ぐ能力

狭いスペースで素早く正確なショートパスで連携できるテクニック

ショートパスになるわけですから、味方同士が比較的狭いスペースで展開することになります。その狭いスペースでボールを保持して時間を要してしまうと、相手ディフェンダーの数も1枚ではないため、複数のプレッシャーでボールを奪われてしまいます。ボールを受ける前から、見方がどこにいてどのような動きをしようとしているのかを予測判断し、正確なパスが出せる連携力を常日頃から練習しておくことが必要になります。

オフ・ザ・ボールでのスペースへ切り込む判断力

ショートパスを繋ぎながらビルドアップし、最終的にゴールに結びつけるためにバイタルエリアでスペースを見つけることが必要です。そのスペースへ切り込む判断力、相手を欺くオフ・ザ・ボールの動きが重要になってきます。

テクニックを兼ね備えたスピードスターなセンターバック

ビルドアップに参加できるためのボールテクニックだけではなく、ポゼッションサッカーの弱点である相手の守備的カウンターに対応できるよう、スピードスターのセンターバックを置くことも重要になります。

走りながらパスを繋ぐ能力

ただ単にショートパスを繋ぐだけでビルドアップをし、いざバイタルエリアを見ると相手ディフェンダーが守備的にブロックを固めている場合があります。このような場合にパスを回しているだけでは時間だけが過ぎてしまい、焦りに繋がるだけです。
そこでビルドアップ時には走りながら、相手ディフェンスラインが整う前にできるだけ速く相手陣内に侵入したり、オフ・ザ・ボール選手はアップダウンを繰り返したりと走りながらパスを繋ぐ能力が重要になります。ブラジルワールドカップで優勝したドイツ代表などは徹底的に練習を繰り返し、実践した正に典型的な例と言えます。
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日本代表のポゼッションサッカーとは?

伝統的に守備的陣形からカウンターを仕掛けるスタイルを維持してきた日本代表でしたが、ザッケローニ監督により、3-4-3の超攻撃的布陣のポゼッションサッカーが取り入れられ練習を重ねてきました。世界の舞台ではどうしてもフィジカルで弱点を見せてしまう日本代表にとって、細かくパスを繋ぐポゼッションサッカーは合っているかのように見受けられましたが、それはアジアでの話。ワールドカップ本大会では通用しませんでした。
そこで得た本当の意味でのポゼッションサッカーとは、簡単ではなく、全員の高度なボールコントロール技術、全員の献身的な攻守に渡るフォローがあって初めて成り立つものでした。

日本代表のポゼッションサッカーが世界で通用しなかった理由

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ザッケローニ監督のポゼッションサッカーによりワールドカップアジア予選は突破したものの、世界の強豪国相手には通用しなかった、その理由は次のとおりでした。

・世界に通用しない技術力不足
・練習時間が無いための連動制の無さ
・ポゼッションサッカーに適応できるスピードとテクニックを兼ね備えたセンターバックの不在
・予選では3-4-3という攻撃的布陣を敷いたにも関わらず、準備不足から本大会では4-2-3-1の守備的布陣を採用した

現在の日本代表のポゼッションサッカー戦術理論

ポゼッションサッカーを取り入れ、世界の壁を痛感した日本代表でしたが、現監督のハリルホジッチ監督が目指したものは、ザッケローニ元監督のポゼッションサッカーにカウンターのリアルサッカーを融合したものでした。

バルセロナのように高度な技術も無く、連携を深める練習もままならない欠点を補うため、高い位置からハイプレスを仕掛け、ボールを奪ったら相手ディフェンスラインが整う前に縦に速いショートカウンターを展開するものでした。

代名詞といえるデュエルを重視し、1対1の強さを求める練習を重ね、球際の強さでは一定の成果を見せています。

ポゼッションサッカー戦術が光った時とは?

ハリル監督のオーストラリア戦!

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その成果がハッキリ現れたのが昨年8月31日のロシアワールドカップアジア最終予選、対オーストラリア戦でした。守備的にはならず、大迫、乾、浅野、井手口、山口が果敢にハイプレスを仕掛け、サイドバックの長友と酒井宏樹、ボランチの長谷部がスペースを埋め、センターバックに吉田と昌子が起用されました。

昌子は元々フォワードの選手で練習熱心だったことから足元の技術に卓越しており、スピードも兼ね備えた正にポゼッションサッカーに適したセンターバックです。そしてボールを奪ったらオーストラリアのディフェンスラインが整う前に縦へのカウンターを仕掛け、幾度とチャンスを作り、オーストラリアを翻弄しました。

ポゼッションサッカーのまとめ

ボールタッチ、パス、ドリブル、判断力、連携力など様々な分野で高度な技術が求められるポゼッションサッカーですが、これらのスキルが無ければ無意味となってしまうボゼッションサッカー。

時代と共に戦術は変わると言われますが、ハリルホジッチ監督率いる日本代表のようにリアクションサッカーを融合したり、ハイプレスからショートカウンターを試みたり、バルセロナのようにメッシにボールを集める戦術だったり、トットナムのようにボールを下げずに常に前に運ぶことを意識する戦術も存在します。

ポゼッションサッカーとはそのチームの形態に落とし込む基礎的戦術という事が言えます。

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